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スカート

 中学で女子校に進学した私は、女子だけの空間に「異様な空気感」を日々感じていた。小学校の頃割と男っぽい性格且つごく一般家庭だったことから、「私立女子校」やそこに通う「生徒」に対し、入学当初「お嬢様」や「お淑やか」などという印象を埋め込み、とにかく自分とは「ほど遠い」空間なのだと非常に勝手な先入

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観を持っていたのだ。そのことから、そこになかなか馴染めない(馴染みに行かない)自分がいた。

 中学2年になり、みんながスカートを極端に短くしたり通学カバンに大きなストラップを付けたりして自己を「飾り」始める中、敢えて逆をいくように私はthe校則の着こなしをすることで、同級生(=「お嬢様」「お淑やか」)との差別化を図り自分のアイデンティティのようなものを確かめていた気がする。

 このようにあえて「飾らない」ことで、「周囲とは違う自己」を演出していたわけだが、これはまさに「演出」であって、意識下には堅苦しい校則なんて守りたくないし制服の着崩しへの憧れもあった。即ち自分の素を誤魔化し「飾らない」ことで差別化を目的とした自己に「飾り」立てていたと言える。

 これが「飾り」即ち自己満であることに気づいてから、自分の気持に正直になって素を「素のまま」出せるようになり、人間形成に非常に繋がっていると感じる。

 皆さんにも、自己の生きる空間への「違和感」や「違い」を強烈に意識したことはないだろうか。あるとしたら、それに対する自己の振る舞いやそこに生じた感情は、その後の自分を大きく形成する契機の一つになっている可能性が高い。

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