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少し抽象的な話をします。

 

私たちが自己形成を行なっている場は様々にあり、たとえば地域や学校、社会といった構造からの影響は少なくありません。しかし自己とは、そうした構造に規定されながらも、それに還元されないズレや差異を生み出しながら、独自に形成されていくものと言えます。「私」は他の誰でもないはずです。この構造化だけではなく、「脱」構造化の局面も含めた経験や過程を「陶冶」と呼びます。

この「陶冶」には3つの段階が考えられます。

まず過去の事実たる「一次的陶冶」経験。

その想起の際に生じる、自己や世界の変容を伴う「二次的陶冶」経験。

そして、第三者がそれらを見聞きすることで、自己や世界の変容が触発される「三次的陶冶」経験。

本プロジェクトを通じて、私たちは自らを省察し、何が「陶冶」経験であったかを探ります。同時に、身近なモノ経験を起点とすることで、あなた自身の自己省察の契機となること、「陶冶」経験を見出すきっかけとなることもまた目的としています。"Virtual Museum"の、教育学的なプロジェクト​としての側面はここにあると言えるでしょう。

陶冶—Bildung—

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