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メイク

 私がメイクを始めるようになった頃は高校 2 年生のときであった。周りの友だちがメイクをし始めた時期であり、半分くらいの人がしていたと思う。一番のきっかけは友だちとショッピングセンターでメイク道具の試しをしたことである。友だちと盛り上がってやっていたが、まだ手にしたこと

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のないものをとったときはドキドキとワクワクでいっぱいであった。そのメイク道具の中でもリップを塗るようになったことがきっかけだ。リップを塗る、メイクをするという動作だけで大人の女性に近づけた気がした。1つ始めると細かなところが気になりだして、リップだけには留まらず、化粧下地やアイシャドウ、マスカラなどいろいろなメイク道具に手を出すようになった。どちらかと言うと顔にコンプレックスを持っていた私にとって、メイクというものは私に自信を与えてくれるものであり、他のものでは 補えない唯一の行為だと思った。

 私はメイクをすることで自分が他者からどのようにみられているかということをメイクをする以前と比べてより気にするようになった。それは現在になっても変わらないのではないかと感じる。メイクをするまでは自分がどのようにみられているかなどは気にしなかった。他者を意識し、客観的な自分というものをメイクによって見ることができるようになったと考える。どのようにすればよりよい自分を見せられるのかも考えるきっかけとなった。その結果、最初は自分の嫌いなところを隠すためにするというどちらかと言えばマイナスのイメージのメイクが自分のことを好きなようになれるというプラスのイメージへと変わっていった。自分のことが好きになれたのはメイクのおかげであり、今の自分がいるのもメイクのおかげだと考える。
 「メイクをする」という人間が大人になっていく中でほとんどの人が通るものに触れる中で私は自分自身の見方が変わる大きなきっかけとなった。皆さんも日常生活を送る中で、このように自分自身が変わるきっかけをした経験があるのではないかと考える。このような普段の生活の中で自分自身と向き合い、考え直すことで、何か新しい自分が見えてくるのではないかと私は考えた。

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